最近あちこちで見うけられる幕構造物。公共施設の建物にも多く見うけられるようになりました。鉄骨にシートをかけるタイプや、空気の力でふくらませるタイプのものまでいろありますが、この構造でいちやく名をたからしめたのは東京ドームであることはいうまでもありません。野球場をすっぽり包みこみ、天気に左右されない会場をつくる屋根を空気の力で膨らませるなんて、あらゆる建築材料の内で一番軽い幕材だからできること。そんな工法なんて、一般の人の頭では考えもつかないことですよね。
十数年前に青函博があったときのお話です。青森側では、イベントの目玉会場としてシャコちゃんドームをつくりました。そのときの施工に携わった小川テントの方からおききしたのですが、「あなたたちも簡単につくれますよ。」というのです。一番簡単なのは、イベントにつかわれるアーチ型エアーテント。「布地を筒状にして片方から換気扇の口に取りつければできます」とのこと。「へエー、そっかー」ってなわけで、さっそく試作。あまったターポリンの生地を筒状にし、両端の一方を袋状にし(メクラの状態)、他方を換気扇に結合。------結果---オーライ。「なーんだ、エアードームって換気扇のお化けを何台もつなげて膨らませただけジャン。たいしたことないんだ。」と考えたら、なんだか東京ドームが身近に感じられたのは私だけではなかったようです。
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